夏の京都 12 萬福寺 1 [寺社仏閣]

今日からご紹介します寺院が個人的に今回の京都の旅で一番来たかった寺院【萬福寺】を4回にわたってご紹介します。
何と国の重要文化財が31棟もある巨大な寺院なのです。しかもこの萬福寺の最大の魅力は、中国式伽藍なんです。したがって日本の代表的な伽藍の雰囲気とは一風違った風景が広がりますよ。
ではでは境内へと入っていきましょう。

最初に伽藍配置をご紹介します。
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兎に角、巨大な伽藍です。
伽藍は西を正面とし、左右相称に整然と配置されています。
総門をくぐると右手に放生池、その先に三門があり、三門の正面には天王殿、その奥に大雄宝殿、さらに奥に法堂が西から東へ一直線に並んでいます。
これら諸堂の間は回廊で結ばれています。天王殿と大雄宝殿の間をロの字状に結ぶ回廊に沿って右側(南側)には鐘楼、伽藍堂、斎堂があり、左側(北側)には対称的な位置に鼓楼、祖師堂、禅堂が建っています。
これらの建物は日本の一般的な寺院建築とは異なり、中国の明時代末期頃の様式で造られ、材料も南方産のチーク材が使用されています。
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「卍字くずし」のデザインによる高欄、「黄檗天井」と呼ばれるアーチ形の天井、円形の窓、扉に彫られた「桃符」と呼ばれる桃の実形の飾りなど、日本の他の寺院ではあまり見かけないデザインや技法が多用されているのも必見。これらのほか、三門 - 天王殿間の参道を左(北)に折れたところに開山の塔所である松隠堂と呼ばれる一画があり、開山堂、舎利殿などが建ちます。

では伽藍の中へ入っていきましょう。
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【総門:国重要文化財】
寛文元年(1661年)の建立。
瓦屋根の中央部分を高く、左右の部分を低く、段差を設けているのは中国風で、日本の一般的な社寺建築には見かけない形式です。
屋根上左右に乗る魚のようなものは鯱ではなく、摩伽羅という想像上の生物でヒレの代わりに足が生えています。マカラはサンスクリット及びパーリ語でワニを表す言葉で、東南アジアでは仏教寺院の入口などに用いられていいます。

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【中門】頭塔門
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【山門(入山門):国重要文化財】
延宝6年(1678年)の建立。三間三戸二重門である。「三間三戸」は門の正面柱間が3間で、3間すべてが通路になっているものを指します。
(※日本の禅宗寺院の三門は一般的には「五間三戸」であり正面柱間が5間に対して通路が3間)。
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いよいよこの先に天王殿がありその中に数多くの仏様が祀られていますが、それはまた次回。




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