黒い影 と 白い女 【前編】 [恐怖体験]

川越観光も無事UP出来ましたので、ここで旅行&自社仏閣ネタではない残暑厳しいこの時期に涼しくなれれば幸いな記事を今日と明日UPします。

久々の恐怖体験を(^^)


もう20年以上も昔の話です。

私がまだ高校生だった時に起きた恐怖体験です。中学校3年生になるまでこのような体験は全くありませんでした。
ある日、自分のベッドの上で金縛りにあって以来、聞こえないはずの音が聞こえたり、見えないはずのものが見えたり・・・。ちょくちょく続くようになりました。そんな学生時代に体験した中で、結構記憶に残っている恐怖体験です。決して嘘ではありません。

私がちょうど高校3年生の頃の話です。
私は友人に勉強を教えに友人宅へお邪魔になっていました。夕食も頂き、その帰りの事でした。
私の家は、宮崎県の県の北部に位置する小さな町で、学校に通う為に国道を10kmほど自転車で通学していたのです。その日も部活が終わり、その後に友人宅へ伺ったので、帰りは9時半くらいでした。友人宅から私の家までは自転車で11km程。
三度の峠を越えて辿り着く結構険しい通学路なのですが、まぁ、毎日通っていると然程苦でもなくなるのが自分でも不思議なくらいでした。

金程の柿木.jpg

しかし、この日だけはいつもとは何かが違う空気を感じていたのを覚えています。

国道を走りひとつ目の峠を越えて下った所に田舎では良く見かける戸建てのラブホ街が出てきます。
10戸くらいを所有するラブホが5軒ほどあるのですが、おかしな事にその日は一軒も営業していませんでした。いつもなら自転車のライトを点けなくても大丈夫なくらい明るいのに、その日は真っ暗でした。
しかも国道なのに車やトラックが一台も通過しません。“これはヤバいな”と即座に察知したのです。
自転車のライトは今のように自動ではないので直ぐに前足で点けました。

ライトを点けるとタイヤとの摩擦で心なしか自転車が重くなりました。
違和感を感じたままの私は二つ目の峠を一気に登ろうかとペダルに力を入れようと思って踏ん張ろうとした瞬間、あいつはやって来ました。
今と違い昔は自転車の後方に荷台が後ろに付いているのがステータスというかお洒落と言うか妙なこだわりで、結構な割合で付いていたのです。
何かが、その荷台に手を掛けて自転車を押し始めたのです。

「ありがとう」 !! そんな事言えるわけもない。

私は全身に鳥肌が立ちました。“これはヤバいぞ”とは思ったものの、まだ18歳の青二才の私には振り帰る余裕などはなく、兎に角必死に自転車をこぐ事にしました。
しかし“後100mもすれば年中無休のお食事処がある”そこまでの我慢だという妙な安心感があったのです。
そう思えると、急に活力も沸いてきて足に力が沸いてきました。“よしあそこの食事処まで行ったら、こいつを見てやる”という無謀な強さまで沸いて来ていました。

自転車を必死に飛ばしている最中も誰かが自転車を押してくれているあの感覚じで妙にテンポ良くこげました。って、馴染んでいる場合でないと思ったのは次の瞬間でした。

後ろの何者かが僕の自転車の荷台に飛び乗って来たのです。

あの自転車を二人乗りした時に感じる後ろの存在感を首筋にビリビリと感じました。真夏の今頃なんでTシャツ一枚の僕には痛いほどにその存在が突き刺さって来ました。
その時です、僕の剥き出しの首筋に何かが這いました。
多分、髪の毛だったと思います。
長い髪の毛らしきものが、僕の首元を摩る様に這ったのです。
今にも心臓が破裂するのではないかというくらいにバクンバクンと音を立て始めました。
ハンドルを握る手は諤々と震え始めペダルをこぐ足も覚束ない感じでした。

その時、目の前がようやく明るくなって来ました。やっと峠にあるお食事処が見えて来たのです!
私は残った体力で自転車をこぎました。必死に必死にこぎました。そして自分の身体も含め自転車もはっきり見えて来た瞬間、私に無謀な勇気が湧いて来ました。
“後ろの何者かを見てやろう!!”

金環日食.jpg

ヨシ、今だ!と思った私は首を時計回りに捻りました。
すると、その瞬間その後ろの黒い何かが反対方向の崖の下へと飛び降りたのです。それと同時に今まで後ろにあった存在がなくなりました。
突然私は、私の中で起きた衝動で叫んだ気がします。
「よし、こ先にあるガードレールの切れるあの場所で反対車線へ逃げよう」と思い、一気に自転車を走らせました。
その時です。
飛び降りた何者かが崖下の藪に生い茂っている竹薮の中を私と同じスピードで走ってきているようなのです。
10m近くある崖下から伸びている竹が私の目線でガサガサがと揺れ動くのです。
もう怖くて怖くて心臓が止まりそうでした。
やっとの思いでガードレールの途切れたカーブへと差し掛かりました。
案の定、珍しいくらいに車通りのない国道を横切り、私は反対車線の向こう側に設置してある歩道に滑り込みました。
10mほど自転車を飛ばすと古くから営業している寂れたうどん屋が出て来ました。
うどん屋の駐車場に付き私は自転車を急停車させたのです。
そして自棄になった私は振り返りました。・・・・が、何も居ませんでした。

とその瞬間

「そっちじゃないよ」と耳元で女性の声が

「※△□*+{?OJI#&%$&)」

何を叫んだのかは覚えていませんが、大きな声で絶叫したのだけは覚えています。
自転車ごと声の聞こえた気のする反対側へぶっ倒れました。

しかし、それを最後にその得体の知れない何かが付いてくる事はありませんでした。
恐怖体験、わずか5分くらいの出来事です。



そして、あの大事故へと連鎖していくのです・・・・


明日、驚愕の後編


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