夏の京都 29 曼殊院 [寺社仏閣]

前日から何とか持ち堪えていた天気も崩れてしまい、遂に雨が降り始めました。
その雨が降りだすと同時に到着したのが、この曼殊院でした。

曼殊院は京都市左京区一乗寺にある天台宗の仏教寺院で、山号はなし。
本尊は阿弥陀如来、開基(創立者)は是算(ぜさん)です。
竹内門跡とも呼ばれる門跡寺院(皇族・貴族の子弟が代々住持となる別格寺院のこと)であり、青蓮院、三千院(梶井門跡)、妙法院、毘沙門堂門跡と並び、天台五門跡の1つに数えられています。
国宝の黄不動画像や曼殊院本古今和歌集をはじめ、多くの文化財を保有しています。

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【勅使門】
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【北通用門】

ここから先は撮影禁止ですので、ご説明だけで。

他の天台門跡寺院と同様、最澄(767-822)の時代に比叡山上に草創された坊(小寺院)がその起源とされる。その後、12世紀頃に北山(現在の京都市右京区・鹿苑寺付近)に本拠を移し、洛中(現在の京都市上京区・相国寺付近)への移転を経て、現在地に移転したのは明暦2年(1656年)のことである。
寺伝では延暦年間(782-806)、伝教大師最澄が比叡山上に営んだ一坊がその起源とされる。円仁、安恵らを経て、10世紀後半の僧である是算の時、比叡山三塔のうちの西塔北谷に移り、東尾坊(とうびぼう)と称したという。最澄、円仁、安恵…というのは天台宗の法脈を表すもので、曼殊院の歴史は実質的には是算の時代から始まるといえる。是算の事績についてはあまり明らかでないが、花山法皇(968-1008)の弟子であったという。

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曼殊院は平安時代以来、近世末期に至るまで北野神社(現・北野天満宮)と関係が深く、歴代の曼殊院門主は北野神社の別当(責任者)を兼ねていた。通説では、曼殊院初代門主の是算が菅原氏の出身であったことから、菅原道真を祭神とする神社である北野神社の創建(天暦元年・947年)に際し別当に任命されたという。なお、是算の別当任命については、北野神社創建時ではなく、寛弘元年(1004年)、一条天皇の北野神社行幸時のこととする別説もある。北野神社の創建年とされる天暦元年(947年)と是算の没年である寛仁2年(1018年)の間には70年もの開きがあることを勘案すれば、寛弘元年(1004年)任命説の方に妥当性があると言えよう。
天仁年間(1108-1110)、是算から数えて8代目の門主・忠尋の時に、北野神社からさほど遠くない北山(現・京都市右京区)に別院を建て、寺号を「曼殊院」と改めた。別院を建設したのは、北野神社の管理の便のためと思われる。比叡山にある本坊と北山の別院とはしばらくの間、並立していたが、次第に北山の別院が主体となっていった。

そしてこの寺院で人気なものが庭園で国の名勝にも指定されています。

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建造物では、大書院、小書院、庫裏が国重要文化財に指定されています。
美術品では多くの文化財を保管しています。

国宝

【絹本著色不動明王像(黄不動)】
滋賀・園城寺(三井寺)に秘蔵される、黄不動像(平安時代前期)を元に制作された画像の1つであり、平安時代末期、12世紀頃の制作と推定されている。京都国立博物館に寄託。

【古今和歌集(曼殊院本)1巻】
色変わりの染紙に優美な和様書体で書写された古今和歌集の写本で、11世紀に遡る遺品である。高野切本古今和歌集などと並び、平安時代の仮名の名品として知られる。京都国立博物館に寄託。

重要文化財

玄関障壁画(紙本金地著色竹虎図)11面
紙本著色是害房絵 2巻
絹本著色草虫図 2幅 呂敬甫筆 
木造慈恵大師坐像
源氏物語 蓬生、薄雲、関屋 3冊 
論語総略(紙背消息)
教訓鈔及続教訓鈔 9巻
古今伝授関係資料 73種(明細は後出)
後柏原天皇宸翰後土御門後柏原両天皇詠草
紺紙金泥般若心経 後奈良天皇宸翰(安房国宛)
花園天皇宸翰御消息(7通)
花園天皇宸翰御消息(普賢形像事云々)
慈円僧正筆消息(十月五日 権少将宛 )
池坊専好立花図(42図)1帖

以上。

秋にはこのコントラストに橙色や茜色などが交じって本当に綺麗な庭になるようです。

では次回は最終回。
今回の京都の旅で最後に拝観する寺院に選んだ寺院に向かいます。


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