みちのく四大名刹廻廊と出羽三山を巡る旅。 17 世界文化遺産 中尊寺 2 [寺社仏閣]

前回の続き。

中尊寺境内を更に進み、弁慶堂、地蔵堂、薬師堂と続き、次に出てくるお堂が

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【観音堂】
ここには説明立札がありませんでしたので一般的な観音堂の説明で(^^)
観世音菩薩の像を安置してある堂で、観世音信仰の広がりから全国各地に建立されていきます。
観世音の住むところは、南海補陀洛山(ふだらくせん)とのことから、多くは山の中腹や断崖の上、海岸の岬等に建立されています。
観音菩薩は一般的には観音さまと呼ばれ、日本で一番信仰を集めている仏様でも有名です。衆生の苦しみや救いの声を聞きつけて馳せ参じてくださる仏様で、性別は女性でも男性でもないとされ、必要に応じて刹那刹那にあらゆる姿に変化される「かたよりのない存在」といわれています。また衆生を救済に顕れる時、多くの姿をとると言われ、聖観音・ 千手観音・十一面観音・如意輪観音・馬頭観音・准胝観音等は有名です。

他のお堂よりも境内中心部分にあるのに、どこかひっそりとした感じでした。その観音堂の向かいにあるお堂が

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【中尊寺山門】

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【中尊寺本堂】
本堂は中尊寺の中心となる施設でその規模も最大です。奥州藤原氏が亡ぶと次第に勢いも無くなり、建武4年(1337)には火災により多くの堂宇と共に本堂も焼失しました。近世に入ると伊達藩の庇護の元、多くの建物が再建され、本堂前にある山門も元々一関藩主であった伊達兵部宗勝の居館であった一関城より万治2年(1659)に移築されました。山門は薬医門形式で左側に脇門があるなど城郭建築の一端を見る事が出来ます。現在の本堂は明治42年(1909)に再建されたものですが比叡山延暦寺より分火された「不滅の法燈」や様々な儀式などが執り行われています。

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こちらで御朱印を頂きました。

で、いよいよ日本の国宝建造物第1号の中尊寺金色堂へと向かいます。流石に国宝第1号の建造物なので、少し詳しくご紹介しますね。

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この林の中に建つお堂が覆堂になります。現在の金色堂覆堂は1965年に建設された鉄筋コンクリート造のもので、金色堂はこの覆堂内のガラスケースに収められ、温度・湿度が調整されている。金色堂は、長年の間にネズミなどの害にあったり、金箔が剥げるなど劣化が進んでいたため1962年から1968年にかけて解体修理が実施され、建立当初の姿に復元されました。
解体修理後、強度の点で再使用できなかった部材は別途保管され、一部は覆堂内に展示されています。
1986年から1990年にかけて、覆堂の改修工事が行われ、ガラスケースも更新されました。
金色堂は1897年(明治30年)、当時の古社寺保存法によって「特別保護建造物」(現行法の重要文化財に相当)に指定。1951年、文化財保護法による国宝建造物第1号に指定されたのです。

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もう金ぴかピカピカでした。※撮影禁止の為パンフレットや国宝図鑑などを写メしました(^^)

金色堂は、中尊寺山内のやや西寄りに東を正面として建つ、方三間(正面、側面共に柱間が3間)、平面の1辺が5.5メートルの小型の仏堂である。堂は、1965年建設の鉄筋コンクリート造の覆堂(おおいどう、さやどう)内にあり、ガラスケースに納められて外気と遮断されています。
金色堂は奥州藤原氏の初代藤原清衡により建立され、棟木に天治元年(1124年)の年次と共に「大檀散位藤原清衡」「女檀 安倍氏 清原氏 平氏」が物部清国を大工として建立した旨の墨書があり、この年が建立年とされています。
2006年に奈良文化財研究所は、解体修理時に取り外されていた金色堂の部材をデジタルカメラを使用した年輪年代測定法で調査し、その調査報告によれば金色堂に使用された木材の伐採年代は1114年から16年頃とされ、上記の建立年代は科学的にも裏付けられました。
奥州藤原氏滅亡直後の文治5年(1189年)、中尊寺経蔵別当心蓮が源頼朝に差し出した「寺塔已下注文」(『吾妻鏡』所収)には、当時残存していた中尊寺の堂宇が書き出されているが、その中に「金色堂 上下四壁は皆金色なり」云々の記載があり、当時から「金色堂」と称されていたことが分かります。

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何が凄いのかは、この写真のあらゆる部分が国宝や重要文化財の塊なんです。その内訳を見てもビックリします。

国宝

中尊寺金色堂 1棟

桁行三間、梁間三間、一重、宝形造、本瓦形板葺
附:棟札4枚
一、修覆正応元年大歳戊子初冬日の記があるもの
一、修□□正応□□六日の記があるもの
一、改修造永徳第四甲子二月廿一日の記があるもの
一、修復元禄十二己夘秊十月三日の記があるもの
附:納札1枚
一、元禄拾弐卯つちのと十月朔日の記があるもの
附:旧組高欄 6組
附:古材 6点 (入側柱2、側柱1、隅棟2、木瓦1)
附:旧飾金具 2点 (八双金具1、藁座金具1)
明治30年(1897年)12月28日、当時の古社寺保存法に基づき、特別保護建造物に指定
昭和26年(1951年)6月9日、文化財保護法に基づき、国宝に指定。棟札4枚のうち2枚(正応元年初冬日のものと永徳4年のもの)はこの時、追加指定。
昭和53年(1978年)5月31日、附の棟札残り2枚、納札、旧組高欄、古材、旧飾金具が追加指定される。
金色堂堂内諸像及天蓋 31躯、3面
木造阿弥陀如来及両脇侍像 3躯
木造地蔵菩薩立像 6躯
木造二天王立像 2躯
木造天蓋 1面
(中壇)
木造阿弥陀如来及両脇侍像 3躯
木造地蔵菩薩立像 6躯
木造二天王立像 2躯
木造天蓋 1面
(左壇)
木造阿弥陀如来及両脇侍像 3躯
木造地蔵菩薩立像 6躯
木造二天王立像 1躯
木造天蓋 1面
(右壇)
附:木造阿弥陀如来坐像(右壇安置) 1躯
附:木造光背台座等残片 一括
昭和31年(1956年)6月28日、仏像32躯と光背台座等残片一括(附指定)が重要文化財に指定。
平成16年(2004年)6月8日、別件で国宝に指定されていた天蓋3面を追加指定し、「金色堂堂内諸像及天蓋」として、あらためて国宝に指定。右壇の阿弥陀如来は「附」指定となる。
中尊寺金色堂堂内具
木造礼盤 1基
螺鈿平塵案 3基
磬架 1基 附:孔雀文磬 1面
金銅幡頭3枚
金銅華鬘(迦陵頻伽文) 6枚
明治36年(1903年)4月15日、天蓋2面と幡頭3枚が当時の古社寺保存法に基づき、国宝(現行法の重要文化財に相当)に指定。同年同日、華鬘6枚が同じく古社寺保存法に基づき、国宝に指定。
大正4年(1915年)3月26日、案2基と磬架1基が古社寺保存法に基づき、国宝に指定。
昭和33年(1958年)2月8日、文化財保護法に基づき、既指定の「天蓋2面、幡頭3枚」、「華鬘6枚」、「案2基、磬架1基」の3件の文化財を統合し、これに天蓋1面、礼盤1基、磬1面を追加指定したうえで、「中尊寺金色堂堂内具」の名称で、あらためて国宝に指定。
昭和53年(1978年)6月15日、国宝「中尊寺金色堂堂内具」に案1基を追加指定。
平成16年(2004年)6月8日、国宝「中尊寺金色堂堂内具」から天蓋3面を分離。当該天蓋は「金色堂堂内諸像及天蓋」の一部となる。

重要文化財

金色堂須弥壇内納置棺及副葬品
金箔押木棺 1合
白綾袷袴 1腰
白平絹袷袴 1腰
白綾袷衾 1帖
紫平絹括枕 1箇
絹本墨画像 1面
赤木柄螺鈿呑口式腰刀(鐺残闕共)1口
大刀 1口
赤木柄短刀 1口分
短刀残闕 1口分
刀子鞘残闕 2箇
銀鍍金目貫座金 1箇
銀鍍金革先金 1対
金七ツ金 2箇
銀七ツ金 2箇
螺鈿目貫座金 1箇
金塊 1箇
鮫皮残片 一括
念珠 一括
平絹・綾・錦残闕等 一括
(以上中央壇)
金箔押木棺(内張錦共)1合
白平絹袈裟 1掛
白平絹単衣 1領
白平絹袷小袖 1領
白平絹括枕 1箇
角打紐 一括
呑口式打刀 1口・鹿角装鞘残闕 一括
鹿角装巴文刀装具残闕 1箇
木刀子 1口
刀子残闕 2口
念珠 一括
平絹・綾・錦残闕等 一括
(以上西北壇)
金箔押木棺 1合
枕芯木 1箇
大刀鞘残闕 1箇
刀子鞘残闕 4箇
鍍金手貫緒鐶 1箇
念珠 一括
平絹・綾・錦残闕等 一括
(以上西南壇)
附:首桶 1合
附:赤地錦残片 1枚
附:縹綾残片 1枚
附:念珠 一括
(以上西南壇所在)
附:大刀 2口
昭和30年(1955年)6月22日、「考古資料」として重要文化財に指定。
昭和49年(1974年)6月8日、追加指定。中央壇の刀子鞘残闕2箇、鮫皮残片一括、西北壇の角打紐 一括、西南壇の刀子鞘残闕4箇、鍍金手貫緒鐶1箇、各壇の念珠一括、平絹・綾・錦残闕等一括がこの時追加される。

この全てがこの写真の中にあるのですよ。

僕の地元宮崎の国宝は・・・・無し。重要文化財は建造物、美術品を合わせても17しかありません。
そう考えると、このお堂の貴重さが伺えるかと思います。
あくまでも個人的な意見ですが、多分この金色堂があったから平泉の世界文化遺産の登録がなされたといっても過言ではないと思います。

境内順路が前後しますが、この鉄筋の覆堂の以前に使っていた覆堂がこちら。

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【金色堂覆堂:国の重要文化財】

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まぁ、兎に角凄いですね。京都の金閣寺も金ぴかでしたけど、元々国宝だった金閣寺は惜しくも火事で消失し再建された建造物になります。
こちらは当時のまま修復を繰り返しての国宝ですから。いやぁ、本当に凄い!!

次回は、この先に建立されている重要文化財の数々をご紹介します。




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